第1回は犬の歯周病です。特に小型のワンちゃんに多いのですが、ワンちゃんの歯のトラブルは、人のような歯が溶けて穴が開く、いわゆる虫歯は多くなく、歯肉（歯茎）にトラブルが起こる歯周病がほとんどです。飼主さん目線での症状は、歯が茶色くなってどう考えても汚い、口が臭過ぎて顔を舐められるのが苦痛といったものが主なものでしょうか。酷くなると、膿が目の下や鼻の穴から出てきたり、痛みが出てきたりします。放って置くと、歯がグラグラになって、歯の周りの顎の骨も溶けていってしまいます。ここまでくると、歯を抜かないと治りません。また、ここからばい菌が体中にばら撒かれる危険性もあります。

病院では、麻酔をして歯石の除去や抜歯を行いますが、これは言ってみれば、その場しのぎであって、本当の解決にはなりません。原因は色々あるのですが、兎にも角にも歯磨きをしないと、近い将来また臭い口で顔を舐められることとなります。

とは言っても、喜んで歯ブラシで歯磨きをさせてくれる子は多くないですし、歯ブラシによる歯磨きの練習をしても、先に飼主さんが根負けして、「こんなことやっていられるかっ」となるケースが多いのではないでしょうか。

病院では、デンタルシートによる歯磨き方法をお教えすることが多いです。歯ブラシでの歯磨きが中途半端になる位なら、この方が効果があります。やり方は、病院でお教えしますので、一度試してみてはいかがでしょうか。

ワンちゃんの歯の治療をお考えの方、口臭が酷いと感じられている方、病院での歯の治療を繰り返さないために、何より大切なのは自宅での歯磨きですので、これを練習しつつ、歯の治療にいらして下さい。

処置前の歯の様子です。うちの子は歳をとってきたから歯が茶色になってきたと思ってませんか？これは、歯ではありません。歯石です。

処置後の歯の様子です。本当の歯はこれです。